どのような症状なのか
この症状は、WindowsパソコンでOfficeソフト全般で起こる現象です。
例えばWordやExcelで印刷しようとすると「使用出来るプリンターを検索」と表示されたまま数秒~数十秒待たされイライラする現象を解決するためにこれから解説していきたいと思います。
この現象が起きると、既定のプリンタ以外で印刷したい場合に「▼」クリックすると、使用可能なプリンタ一覧が出てくるまで更に待たされる羽目になりますので、直せるものなら直したいですよね。
結論から言います。諸悪の根源は古いネットワークプリンターです。
特に多いのがNASのプリントサーバー機能を使用している場合です。
NASにプリンタを接続し、ネットワーク経由で印刷している方は大抵、この現象が起こっているはずです。
以下、Windows10での操作手順になります。
Microsoft Wordの印刷画面で、使用できるプリンターを検索と表示され、数十秒待たされている最中の画像
対処法その1
「SMB1.0」は、Windowsでファイル共有をするために使用する通信プロトコルの事です。
現在では、セキュリティが強化された「SMB2.0」や「SMB3.0」が主流となっています。
「SMB1.0」はセキュリティ面での脆弱性が問題視されており、Windows10以降のOSではデフォルトで無効化されているのです。
以上の理由により、業務上古い機器を使用している等の理由でどうしても必要な場合を除き「SMB1.0」の有効化しない事を推奨いたします。
NASの主な用途として、PC同士でデータを共有したい時にファイルサーバーとしてネットワーク上に接続されたハードディスクの事で、急にNASにアクセスできなくなった場合も、この「SMB1.0」を有効にする事で解決する事が多いです。
Windows10や11ではインターネットに繋がっているPCの場合、自動的にアップデートされるため、アップデートの度に「SMB1.0」が無効化され、NASにアクセスできなくなってしまう事例が度々起こっています。
「SMB1.0/CIFSファイル共有のサポート」を有効にしてみる
1、スタートをクリック
2、Windowsシステムツールまでスクロールし、クリックして展開
3、コントロールパネルをクリック
4、プログラムをクリック
5、プログラムと機能をクリック
6、Windowsの機能の有効化または無効化をクリック
7、SMB 1.0/CFISファイル共有のサポートを展開して上図の2箇所にチェックを入れてOKボタンをクリック
8、パソコンを再起動するように促されますので、再起動する
再起動後にWordやExcelでで印刷画面を開いて、プリンターの検索時間が改善されているかを確認して下さい。
半分くらいの方は「SMB1.0」を有効にするだけである程度は改善できたはずです。
とはいえ、環境によっては40秒待っていたのが20秒待ちになった程度の改善という場合もあります。
劇的に改善した方や妥協できる待ち時間になった方は、一応これで解決として下さい。
全く改善していない方や妥協できない方は、このままお進み下さい。
対処法その2
プリントサーバー機能がある最新のNASに買い替える
例えば、ドットプリンタのエプソンVP-2300は建設マニフェストを印刷するのに現役で使用している企業は少なくないでしょう。
最新のNASであれば、SMB2.0以上に対応していますので、プリンターの検索時間が長い問題は解決できるはずです。
何より、SMB1.0しか対応していないNASを現在でも使っているという事は、少なくとも5年以上前のNASであるため故障のリスクが高いという事を覚悟した上で使用を継続するという事です。
NASは使っておらず古いプリントサーバーを使っている方は、新しいプリントサーバーに変更すれば良いかと思います。
上図は、BUFFALOの2014年モデルですが、ブラウザからNASにログインして詳細設定を開くとSMBの項目があります。
デフォルトでは、SMB2とSMB1の両方を有効にするになっています。SMB1を使いたくない場合は設定を変更しましょう。
対処法その3
印刷したいプリンターを通常使うプリンタとして設定する
最終手段1
ネットワークプリンターとして使う事を諦める
最終手段2
古いネットワークプリンタを削除
プリンタ一覧から削除したいプリンタを右クリックして、デバイスの削除を選択すればプリンターを削除できます