難読漢字『海の生き物』
1.蟶
まてがい(蟶貝)
マテガイ科の二枚貝で、浅海の砂泥に垂直に住んでいる。
殻は細長い円筒形で、長さは約12cmあり、穴に塩を入れると飛び出す習性がある。
食用になる。
2.鮗
このしろ(鰶)
ニシン目ニシン科の海水魚で全長約25cm。
体は紡錘形で側扁する。
背側が青色で数列の黒点が並び、肩部に黒斑が一つある。
背びれの後端が長く伸びている。
本州中部以南の沿岸に産し、食用になる。
約10cmのものをコハダまたはツナシとよぶ。
3.海狗
おっとせい
アシカ科の哺乳類で、体長は雄が約2メートル、雌が約1メートル。
頭は丸く、四肢はひれ状で、全身に刺毛と綿毛が密生する。
北太平洋に分布し、夏、小さな島に多数集まり、一夫多妻の集団をつくって繁殖する。
毛皮は良質だが、国際条約によって保護されている。
4.鱫
むつ(鯥)
スズキ目ムツ科の海水魚で深海に住み、全長約60センチ。
体は細長くて側扁し、目と口が大きく、全体に黒紫色。東北地方以南に産し、産卵期の冬が美味である。
卵巣もムツの子といって賞味する。
5.鯳
すけとうだら(介党鱈)
タラ科の海水魚で全長約80センチ。
体はマダラに似るが細長く、下あごのひげは短い。
背から側面に濃褐色の不定形斑がある。
北太平洋・日本海に多い。塩干し・練り製品・魚粉などに加工される。
卵巣の塩漬けは「たらこ」「めんたい」
6.鮚
はまぐり(蛤・蚌)
マルスダレガイ科の二枚貝で内湾の砂泥地に住む。
殻は丸みのある三角形で、殻長8センチくらいになる。
殻表は滑らかで、黄褐色に褐色や紫色の模様のあるものが多い。
北海道南部より南に分布。養殖もされる。
殻は貝細工や胡粉 の材料として使われる。
7.鱪
しいら(鱰)
スズキ目シイラ科の海水魚で全長約1.5メートル。
体は細長く、著しく側扁し、雄は前額が大きく隆起している。
体色は青緑色でるり色の小点が散在し、暖海に分布。
夏に食すと美味。
8.𩸽
ほっけ
アイナメ科の海水魚で全長約40センチ。
体は細長く、尾びれの後縁が深く二またに分かれている。
体色は灰褐色に暗色の不規則な横帯がある。
東北・北海道の沿岸に産する。
食用になる。
9.菟葵
いそぎんちゃく(磯巾着)
花虫綱イソギンチャク目の腔腸動物の総称で浅海の岩石などに付着する。
体は柔らかく円筒形で、上端中央に口があり、その周囲に触手が並ぶ。
触手に刺胞があり、毒液を獲物に注入して捕らえる。
不消化物は口から排出される。
接触や刺激にあうと体を縮め、巾着のひもを締めたようになる。
10.拳螺
さざえ(栄螺)
リュウテンサザエ科の巻き貝。
北海道南部から南の暖流の影響を受ける岩礁に分布する。
貝殻は殻高約10センチで厚く、こぶし状をなし、太いとげのような突起をもつものが多い。
肉は壺焼きなどで賞味され、春から初夏が旬。
11.儒艮
じゅごん
海牛目ジュゴン科の哺乳類で全長約3メートル。
エサは、海草を食べる。
前肢はひれ状で、後肢は退化した。
水平で三日月形の尾びれをもつ。
乳頭が胸にあるため、哺乳する姿から人魚に擬せられることがある。
紅海・インド洋からオーストラリア北部に至る熱帯の海に少数が分布する。
沖縄にも現れ、天然記念物に指定されている。
12.鯒
こち
カサゴ目コチ科の海水魚で全長約50センチ。
体は扁平で、頭が大きい。
体色は黄褐色で、暗色の小円点が散在する。
性転換をし、初めは雄で、成長すると雌になる。
本州中部以南の沿岸の砂泥底に住む。
13.帯魚
たちうお(太刀魚)
スズキ目タチウオ科の海水魚で全長約1.5メートル。
体は細長く側扁が著しい。
尾端は糸状で歯は鋭い。
体表はうろこがなくてグアニンで覆われ、銀白色。
海中では頭を上にして、直立している。
世界の暖海に分布し、夏季、西日本に近づく。
食用のほか、表皮のグアニンを模造真珠の塗料に利用。
老齢の個体にまれに骨腫が見られるが、その肉を食しても害はない。
14.海鞘
ほや
索綱ホヤ目の原索動物の総称で海産で汽水にも生息し、単体、または群体をつくる。
単体のものは球形ないし卵形で、岩や海草に固着。
体は被嚢で覆われ、入水孔と出水孔とが開く。
幼生はオタマジャクシ形をし、尾部に脊索をもち、自由に泳ぐ。
マボヤ・アカボヤなどは食用になる。
15.海栗
うに(雲丹・海胆)
ウニ綱の棘皮動物の総称で殻は半球形・円錐形・円盤形などで、表面は栗のいが状のとげに覆われ、とげの間から細い糸状の管足を出して運動する。
口器は下面中央にあり、「アリストテレスの提灯」と呼ばれ、肛門は背面中央にある。
すべて海産で、生殖巣を食用としては「アカウニ」「バフンウニ」「ムラサキウニ」などがある。
16.松魚
かつお(鰹)
サバ科の海水魚で全長約1メートル。
体は紡錘形をしており、背部は暗青紫色、腹部は銀白色で、死後に青黒色の縦縞が現れる。
世界の温・熱帯海に分布し、季節的に回遊。日本には3~4月に南岸に近づき、5~6月に黒潮に乗って北上、7~8月に三陸沖に達し、秋には南下する。
竿釣り漁法で漁獲し、叩きとして賞味するほか、煮物・かつお節・缶詰などに利用される。
17.針魚
さより(細魚・鱵)
ダツ目サヨリ科の海水魚で全長約40センチ。
体は細長く、下あごが突き出し、先が赤い。
背部は青緑色、腹側は銀白色。沿岸の表層に住み、汽水域にも入る。
刺身やお吸い物の具材として食される。
18.海星
ひとで(人手・海盤車)
全て海産で、ヒトデ綱の棘皮動物の総称で5本の腕を持ち、扁平な星形の五角形をしている。
外面は多数の小骨板からなり、硬いが曲げることができる。
腹面に口があり、肛門は背面に開く。
腕の下面にある管足で移動し、貝類などを食べる。
切れても再生力が強い。
19.海鼠
なまこ
ナマコ綱の棘皮動物の総称ですべて海産。
体は円筒形で前後に細長く、前端に口と触手、後端に肛門があり、皮膚の中に小さな骨片が散在する。
種類が多く、マナマコは生食のほか、海参・海鼠腸に加工する。
20.魬
はまち
関西地方では、ブリの若魚で全長20~40センチのものをいう。
関東では大きさに関係なくブリの養殖ものをいう。
21.胡獱
とど(海馬)
アシカ科の哺乳類で雄は体長約4メートル、体重1トンに達する。
体は黒褐色で、頭の幅が広くて後頭部が低く、髭がある。
繁殖期には1頭の雄が多数の雌を従える。
太平洋北部で繁殖し、冬には北海道などでもみられる。
22.海豚
いるか
クジラ目の哺乳類のうち、小形のハクジラ類の総称で体長1~5メートル。
体形は紡錘状、口の先がくちばし状で、背びれのあるものが多い。
マイルカ・カマイルカ・バンドウイルカなど大部分が海洋性であるが、カワイルカなど淡水に住むものもある。
多くは群れをなして泳ぎ、魚類を主食とし、知能が高い。
23.海象
せいうち
鰭脚目セイウチ科の哺乳類で北極海に住む。
体長約3.8メートル、体重約3トンに達する。
2本の牙が雌雄ともにあり、雄では1メートルにも達する。
貝を主食としている。
24.鯏
あさり(浅利)
マルスダレガイ科の二枚貝で淡水の流れ込む浅海の砂泥地に住む。
殻長約4センチ。
殻表は粗い布目状で、模様は変化に富む。
みそ汁、酒蒸しなどで食べると美味。
25.虎魚
おこぜ(鰧)
オニオコゼの別名でハオコゼ・ダルマオコゼなどを含めていうこともあり、一般に頭は凹凸が激しく、背びれのとげが強大で、奇異な姿をしている。
26.魚虎
はりせんぼん(針千本)
フグ目ハリセンボン科の海水魚で全長約35センチ。
背側は褐色、腹側は白色。体表にうろこの変化した可動性の大きなとげを400~500本密生し、危険が迫ると体をふくらませてとげを立てる。
温・熱帯海に広く分布し、日本では本州中部以南でみられる。
27.鰂
いか(烏賊)
コウイカ目とツツイカ目の頭足類の総称で胴は円筒状の外套膜に包まれ、先に幅広のひれがある。
10本の腕をもち、特に長い2本は捕食などに用い、敵にあうと墨を出して逃げる。
コウイカ類は石灰質の甲を、ツツイカ類は膠質の軟甲をもつ。
すべて海産で食用となるものが多く、干したものは「するめ」という。
28.燭魚
はたはた(鱩・鰰・雷魚)
スズキ目ハタハタ科の海水魚で全長約20センチ。
体はやや細長く側扁し、口が大きく、うろこはない。
北太平洋と日本海の深海に分布し、11月下旬から12月にかけて産卵のため沿岸の藻場に押し寄せる。
秋田・山形沿岸でこの時期に漁獲。淡泊な味で、ぶりことよぶ卵塊とともに食用。
29.鯡
にしん(鰊)
かっちゃん、かずのこ、にしんの子。
ニシン目ニシン科の海水魚で全長約30センチ。
体は長く、マイワシに似るが体側に黒点がない。
北太平洋に広く分布し、沖合を回遊。春季、産卵のために群れをなして接岸する。
食用になる。
30.鱸
すずき
スズキ目スズキ科の海水魚で全長約90センチ。
体は細長く、側扁する。背側は灰青色で、腹側は銀白色。
幼魚には背部と背びれとに小黒点がある。
北海道以南から東シナ海に産し、夏季には河川に入る。
出世魚の一で、セイゴ・フッコ・スズキと呼び名が変わる。
夏秋が旬で美味。
31.鯧
まながつお(真魚鰹)
スズキ目マナガツオ科の海水魚で全長約50センチ。
体は菱状の卵円形で側扁し、うろこは小さくてはげやすい。
体色は蒼灰白色で外洋性であるが産卵期には内湾に入る。
本州中部以南に分布しする。
32.海驢
あしか(葦鹿)
アシカ科の海獣でオットセイに似ているが、やや大形で体長約2メートル。
体は暗褐色で太平洋に分布する。
近縁のアザラシとは異なり、陸上では四肢で体を支えて歩行する。